こちらを読んでみてください。
今、僕は他人が思っているほど本は読まないし、テレビはまったく見ないし、インターネットも利用することもあまりない。そしてまた、人にも会うことも出来るだけ控えている。
雑誌『Oggi』3月号YATARO’S LETTER VOL.6からの抜粋です。
この文章の後、彼がなぜそうしているかの説明が続きます。
上記を読んで、何かひっかかるところはありましたか?
私が気になったのは、副助詞「も」が続けて登場するところ。くどいほど続いていますよね。
私なら、
今、僕は他人が思っているほど本は読まないし、テレビはまったく見ないし、インターネットを利用することもあまりない。そしてまた、人に会うことも出来るだけ控えている。」
こう書くだろうな、と。
同じ言葉が何度も続くと、くどい印象になります。だから同じ言葉はなるべく使わない方がスムーズに読めますね。
だ・け・ど
同じ言葉が続く文章、それを読む側としては「そんなにかよ」とつっこみたくなる。ということは、「それほどまでにそうなんだ」という事を伝えたい場合に限り「も」を続けることは有効と言えそうです。
囲み文章の書き手は、今のこの時代にインターネットを利用しない、人に会えばさまざまな情報が得られるのにあえて人に会うことを控えている、そこをグッと強調したかったのでしょう。
一文に含まれた「も」という言葉が2つ続くかどうか。これだけで読みやすさは変わるし、読み手が受ける印象も変わる。大変興味深い事例です。