会社員時代の話。
京浜東北線、大森駅。午前7時すぎ。
電車から降りた人々が群がる。
ホームに降り立ち、階段を上る直前。上から駆け下りてきた二人の男性が、発車直前の電車に乗るべく私の前をスレスレで横切っていった。
「え?何?」
イラついた。
こんなに人がいるのに、わざわざ私の前を通るなんておかしいよ。あの人の前でもいいじゃないか。この人の前だっていいはず。
「なんで、わざわざ私の前を通るわけ?」
イライラしながら階段を上る。ああ朝っぱらからイヤな気分だ、なんなんだ一体。イライラする~!
そこで、ふと気が付いた。
「なんか私、イラついてる……」
イライラするのはイヤだ。何とかこのイヤな気持ちを払拭したい。そもそもイライラする原因は何だった?そんなことを考え始める。
あ、そうだ。そういえば私の前だけ少し空いていたな。前の人にぶつかりたくないからスペースをとっていたんだ。朝は一分一秒でも惜しい。あの二人は急いで階段を下りながら瞬時に空きスペースを探し、私の前を通ったのだ。
そっか、そういうことだ。彼らはわざわざ私の前を横切って嫌がらせしたかったわけじゃない。ただ空いているところを通っただけ。他意はないんだ。
そう思ったら急速に気持ちが冷えていき、熱くなってイライラした気持ちがおさまった。
「なんで、○○なの?」
「なんで、そういうことするの?」
何かにイラついた時、ついつい「なんで」という言葉を使って原因を探ってしまう。でもそこで、ちょっと待った。「なんで」じゃなくて「なぜ?」と言ってみよう。
「なぜ、○○だったのか?」
「なぜ、そういうことをしたのか?」
上記の違い、わかりますか?
「なんで」の後につづく言葉は現在形です。イライラ続行。でも「なぜ」に変えた途端、語尾は過去形に早変わり。イライラを過去のものとし、冷静に原因を探ることができるのです。
我ながらこれは発見だと思いました。
朝のイライラがなくなったんですから。
イライラした時、あなたは「なんで」と言っていませんか?もしそうならば、そう言ってしまった後「なぜ?」と言い直してみて下さい。
イライラがおさまりますよ( ´艸`)